はじめに

WindowsCE / Pocket PC用のEPWINGビューア EBPocket を初めてリリースしたのが2004年。 それからいつしか10年の歳月が過ぎ、 EBPocketとそのシリーズは、Windows系OSからiOS(Objective-C)、Mac OS X、Android(Java+NDK)へと、 移植を続けてきました。 その間、WindowsOSも、Windows98、2000、Xp、Vista、7、8と変遷を重ねてきました。
EBWinは幸いにも多くのユーザを得、Windows用EPWINGビューアとして普及していますが、さすがに基本設計の古さを感じるようになりました。 そこで今回 C# 言語で全面的に書き換えを行い、EBWin4をリリースすることとなりました。
EPWING規格は、出版社とソフトウェア提供者にまたがる電子辞書の共通規格として、希な成功例と考えますが、商業的に今後新たな製品が出る可能性はまずないでしょう。 しかしながら、辞書はそもそも寿命の長い商品であり、国語や言語の変化のスピードを考えると、10年や20年前の辞書でも、 利用価値がなくなるわけではありません。 『広辞苑』や『リーダーズ』など、日本の主要な大型辞書はほとんどがEPWING化されており、これらの辞書は10年後も現役であり続けるでしょう。 またEPWING規格の特筆すべき点として、仕様がJIS規格として公開されており、Wikipediaを始めとする、フリー辞書がインターネット上で多数公開されています。 EPWING規格のビューアのニーズは、今後も長期にわたってあり続けると考えています。
ともあれ、EBシリーズ全体の目標である知的生産性向上ツールの一つとして、これまで同様、EBWin4を愛用していただければ、 作者としてこれに勝る幸せはありません。
hishida 2013/03/11