PDIC辞書の対応について
PDIC(Personal Dictionary)はTaN氏が開発された辞書アプリケーションです。PDIC には、
DOS版PDIC、
PDIC for Windows(16bit版、32bit版)、
PDIC for Win32、
PDIC/Unicode
など複数のバージョンが存在し、PDIC用の辞書がオンラインで多数公開されています。
EBWin/EBPocketでは、Ver2.08以降で、PDIC形式辞書(Hyper辞書形式)に対応します。
PDIC辞書を使用する場合、辞書の追加で*.DICを選択してください。
●PDIC辞書形式に関する制約
- PDIC辞書の検索の機能は、公開されている技術文書「PDIC辞書形式仕様書第0.8版 2003.4.28」に基づいて開発しています。
ドキュメント化されていないPDICの機能があった場合、対応していません。また、将来PDICの辞書仕様が変更された場合、必ずしも対応できる保証はありません。
- PDIC辞書のバージョン4.0以降(Hyper辞書形式)にのみ対応します。対応の状況は以下のとおりです。
辞書バージョン |
名称 |
PDIC |
EBWin Unicode版 EBPocket |
EBWin MBCS版 |
1.0 |
旧辞書形式 |
DOS版PDIC Ver3.xx〜4.xx |
× |
× |
2.0 |
新辞書形式1 |
DOS版PDIC Ver5.xx以降、PDIC for Windows(16bit版,32bit版) |
× |
× |
3.0 |
新辞書形式2 |
PDIC for Windows(32bit版) |
× |
× |
4.0 |
Hyper辞書形式 |
PDIC for Win32 Ver3.xx以降 |
○ |
○ |
5.0 |
Hyper辞書形式 |
PDIC for Win32 Ver5.xx以降 |
○ |
○ |
5.0 |
Unicode辞書 |
PDIC/Unicode Ver.0.70 |
○ |
× |
6.0 |
Unicode辞書 |
PDIC/Unicode 正式版 |
○ |
× |
見出し最大長 |
248 |
訳語最大長 |
3000 |
用例最大長 |
20000 |
発音記号最大長 |
1000 |
- PDIC/UnicodeはBOCUのみサポートします。「PDIC辞書形式仕様書第0.8版」には、他にUTF-16やUTF-8が定義されていますが、オンラインで公開されているPDIC/Unicode辞書は、すべてBOCUなので、実用上の問題はないと思われます。
- 音声やOLEオブジェクトには対応していません。
- 検索方法は前方一致、完全一致、全文検索のみ対応します。見出し語の文字検索を行いたい場合は、全文検索を利用してください。
- PDIC/Unicode正式版の簡易HTML機能は一部タグのみ対応します。
- PDIC for Win32で、見出しや用例部に外国語フォント(アクセント付英字、ギリシア語等)を使用している辞書は、表示できません。これらの辞書を使用する場合は、PDIC/Unicodeに変換してください。
●EBWin/EBPocketの機能に関する制約
- PDIC辞書では、EBWin/EBPocketの機能の一部が使用できません。
- 検索一致数の上限の初期値は、EBWinで10000、EBPocketで1000に設定されています。この上限は、オプション画面(→PDIC
)で変更できます。
- PDIC for Win32辞書では、検索時に英字の大文字・小文字が区別されます。すなわち、"Google"の項目は、キーワード"google"で検索するとマッチしません。これはPDIC辞書の項目の並び順序が、いわゆる辞書式順序ではなく、コード順に並んでいるためです。
PDIC/Unicode正式版では、辞書式順序にならんでいるので、小文字で"google"も"Google"も検索できます。
●発音記号について
- 発音記号を表示するかどうかは、オプション画面(→PDIC
)で設定できます。
- EBWin MBCS版では、PDICと同様に発音記号用フォントを指定します。
たとえば「英辞郎」をEBWin MBCS版で使用する場合は、発音記号フォントに"SIL IPA93"を指定します。
- EBWin Unicode版/EBPocketでは、発音記号の表示にはUnicodeフォントを使用しますので、特別な発音記号フォントをインストールする必要はありません。
- PDIC for win32の発音記号 -
PDICの発音記号用フォントをUnicodeに変換する対応表 PDIC発音記号マップファイル(phonetic.ini)
を使用します。
- PDIC/Unicode 0.70 の発音記号 - 発音記号の文字コードはまちまちですので、やはり PDIC発音記号マップファイル(phonetic.ini)
を使用します。マップファイルのデフォルトは、SIL IPA93です。
なお、使用するPDIC辞書の発音記号がUnicodeで記述されている場合は、SIL IPA93のマッピングでは文字化けしますので、
プロファイル(profile.ini)
の辞書個別指定で PHONETIC=NONE と指定してマッピングを解除する必要があります。
- PDIC/Unicode正式版の発音記号 - 発音記号もUnicodeで格納されるため、マップファイルは使用しません。
- 発音記号の表示に使用するフォントは、本文用フォントとは別に、オプション画面(→PDIC
)で設定できます。
|
EBWin Unicode / EBPocket |
EBWin MBCS |
PDIC for win32 |
発音記号フォントはインストール不要。 PDIC発音記号マップファイルが必要 |
SIL IPA93のような発音記号フォントのインストールが必要 |
PDIC/Unicode 0.70 |
発音記号フォントはインストール不要。 発音記号がUnicode以外の場合、PDIC発音記号マップファイルが必要(デフォルトはSIL IPA93) |
×使用できない |
PDIC/Unicode 5.x |
発音記号フォントはインストール不要。 PDIC発音記号マップファイルは使用しない
|
×使用できない |
●WindowsCE/PocketPC特有の注意点
- EBPocketでは、PDIC辞書は自動認識の対象になりません。必ずgsGetFile.dllを導入の上、「辞書の追加」で個別に追加してください。
- WindowsCE/PocketPCの標準のフォントは、発音記号を一部しか持っていないので、発音記号を表示したい場合は、PC用のフォントを転送して使用する必要があります。
- EBPocketでは、ページスクロールで前後ページに移動するときに、ページ間の切れ目の単語の一部が表示されないことがあります。
これはPDICのデータブロックが可変長のため、EBPocketの連続表示用バッファに入りきれない場合があるためです。
この問題を回避するには、オプション画面で、連続ページ数か項目毎ページ数のいずれかを、24程度まで大きくしてください。
ただし、表示のパフォーマンスは低下します。
- PDIC/Unicode辞書では、タイ語、アラビア語、ハングル、中国語など多言語の検索が可能ですが、言語に対応したSIPはユーザの責任で用意する必要があります。